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電子計算機センター将来計画 分子研リポート1998 | 分子科学研究所

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Academic year: 2018

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5.将来計画及び運営方針

5-1 電子計算機センター将来計画

5-1-1 現有計算機の構成と利用状況

平成11年1月現在の利用者の総計は約 700 名,研究課題は 174 件である。電子計算機センターの計算機システムは, 平成6年1月からスーパーコンピュータ NE C S X -3 が,平成7年1月より並列計算機 IB M S P と汎用高速計算機 NE C HS P がそれぞれ導入された。この時から,オペレーティングシステム(OS )も UNIX に統一された。また汎用演算性 能および並列演算性能を増強する目的で,平成8年9月より NE C HPC 計算機,平成9年10月より日立製作所 S R 2201, 平成 10 年9月よりシリコングラフィックス社 Origin2000 を導入し公開運用を行っている。平成11年2月より,高速汎 用計算機の HS P は NE C S X -5 に更新され,3月から試験運用を開始,4月より本格的な課金運用を行う予定である。

S X -3は3個のベクトル演算器を持ち最高性能は 19.2ギガフロップスである。また,2ギガバイトの主記憶容量とジョ ブの一時作業領域として高速に読み書きが可能な R A ID ディスクを約 60 ギガバイト持つ。現在では大規模な配置間相 互作用( C I) 計算や分子動力学計算など,ベクトル化率が高くしかも大容量の主記憶と一時記憶装置を必要とする大型 ジョブを中心に利用されている。

分散メモリ型並列計算機 S P2 は,平均 100 メガフロップスの性能をもつ 48 個の演算装置(C PU ノード)から構成さ れており,各 C PU ノードは 40 メガバイト/秒以上の高速度で互いに通信を行うことが出来る高速ネットワークスイッ チにより結合されており,メッセージパッシング型の並列計算プログラムの実行を効率よく行うことが出来る。S P2は 現在約 3 分の 2 の C PU ノードは主に逐次実行型のジョブによって利用され,残りの 3 分の1は並列計算ジョブ用に利 用されている。S P2 の導入後約4年が経過し現在では並列ジョブ処理環境を利用するユーザの数が徐々に増え,また 利用法がよりいっそう高度化する傾向が見られる。新汎用システム S X 5 の利用度の向上に伴い,並列ジョッブの割合 を増し,利用者の並列プログラムの開発・利用を促進する。

新汎用高速演算システム S X -5 は,ピーク性能が 32 ギガフロップス以上の高性能ベクトル計算機であり,8 ギガバイ トの主記憶装置と約 150 ギガバイトの R A ID ディスクをもつ。この計算機は,S P2 の逐次専用ノードでは実行が困難な 大容量メモリと一時作業ディスクを必要とするジョブの実行に利用され,その意味でスーパーコンピュータと並列コ ンピュータそれぞれの役割を補間する重要な役目を果たすことが期待されている。NE C HPC は 1 ギガバイトの主記憶 と 2 ギガバイトの拡張記憶装置を有し,中規模なベクトルジョブの処理に利用されている。

分子研計算機センターの C PU サーバーとしての能力は平成6年1月にはそれまでのおよそ 9 倍,平成7年 1 月には 平成6年1月以前のおよそ 14 倍になったが,年間平均でもその全 C PU 能力の約 70% が利用されており,常時数十件 の待ちジョブが待機している状況になっている。当センターの計算機は,365 日 24 時間運転を行っているため,実稼 働率が7割を超えた場合には,平日の日中には常に待ちジョブがある状況となる。特に学会前の混雑時には投入した ジョブが実行されるまでの待ち時間が数日に及ぶ状況も発生している。平成11年4月から本格稼働を予定している汎 用高速演算システム S X -5 の C PU 能力により,一時的とはいえ,このような事態が緩和されることが期待される。

5-1-2 平成 1 1 年度の計算機システム更新

平成9年度,文部省に概算要求をしていたスーパーコンピュータ借料の増額によるC PU能力の増強は認められなかっ た。また導入一時経費もつかないという厳しい結果となったため,外部委員を含む「スーパーコンピュータ検討小委 員会」の結論に従い,平成11年1月に機種を更新することを断念し,更新を1年延期することとした。

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スーパーコンピュータ検討小委員会では,スーパーコンピュータの更新を1年延期したことから,汎用システムの 機種更新を1年早めて,平成11(1999)年2月に行うことが望まれるとの結論を得た。これを受けて,岡崎機構管理 局及び文部省と協議の結果,現有の汎用高速演算システムである IB M S P2 と NE C HS P を平成11年2月に新たな機種 に更新するための準備を進め,最高演算性能が 5 ギガフロップスを上回る機種の導入を検討し,スーパーコンピュー タに準ずる調達手続きを採用することとなった。平成10年5月1日に最終仕様書が完成し,6月22日入札,7月7日 開札が行われ上記の S X -5 に決定した。現在は,公開に向けて汎用高速演算システムの最終調整作業を行うと同時に, 更新を1年延期したスーパーコンピュータシステムの調達手続が進行中である。

(1)スーパーコンピュータシステムに要求される性能

スーパーコンピュータの更新目的の第一は,分子科学分野において大学等では実行が困難である大規模なベクトル 並列計算を行う計算環境を整備することにある。一方,現状のように投入したジョブが実行されるまでの待ち時間が 数日に及ぶ状況を早急に改善しなければならないため,中小規模のシリアルジョブの実行スループットを向上させる 配慮も重要である。このように、ある意味では相反する更新要求を,レンタル期間中の運用変更によって適応可能とす る計算機構成を選択することが重要である。すなわち,高い単体演算性能を持つ計算ノードをできる限り多数導入し, C PU リソースの分割運用によって,大規模ベクトル並列計算の実行と中小規模ベクトル計算の両方が干渉することな く実行できることが重要である。これを実現するためには,システム全体として大容量の主記憶と一時作業ディスク が必要である。

具体的には,現有スーパーコンピュータの(S X 3/34R )単体 C PU 能力を上回る 8 ギガフロップス程度の計算ノード 48 以上が必要であり,16 ノードと 32 ノードのようにリソースを分割運用する。主記憶は 128 ギガバイト以上,作業ディ スクは 1500 ギガバイト以上必要である。平成8年に発足した次期スーパーコンピュータ検討委員会では単体 C PU 性能 を重視するか C PU 台数(並列計算の規模)を重視するかで活発な討論がおこなわれた。並列度の高いプログラムへ比 較的容易に移行が可能な分子動力学(MD )分野の研究者からは C PU 台数を重視すべきとの意見がだされ,一方,大 規模な分子軌道(MO)計算や配置間相互作用計算などに代表される並列化が困難な電子状態分野の研究者からは単体 のベクトル演算性能と大容量の主記憶および拡張記憶装置の重要性が示された。上記のC PUリソースの分割運用は,大 規模ジョブの実行と中小規模ジョブのスループットを運用によりバランスをとってゆく観点としてだけでなく,MD 計 算と MO 計算分野の要求に柔軟に答えて行くための方策としても重要である。

又,C PU リソースの利用状況によっては,超大型計算を奨励する新しい運用方法の導入も検討する必要がある。従 来の課金制度とは違う形で,研究課題を募集し,従来の C PU 時間やメモリー利用制限の枠を大幅に越えた計算機利用 を可能にして,優れた研究成果を引き出すような施策の検討である。このように次期スーパーコンピュータシステム は,その利用目的が汎用高速演算システムと明確にことなり,超大規模計算を実行できる環境を常に意識した運用体 制が必要である。

(2)センターの運用方針

前年度の報告にもあるように,計算機センターの利用者は大別すると4つに分類される。 グループ A : 分子研理論部門(計算センター含む)。

グループ B : 所外の大きな理論グループ。

グループ C : 所外の小さな(一人ないし三人程度の若い)理論グループ。

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グループ D : 実験を主体とする研究グループ。

それぞれのグループで計算機を利用する分野・形態や,必要な C PU 時間に相違があり,どのグループを重点的にサ ポートして行くかの議論には慎重を要す。最近では,高速ワークステーションの普及によって,研究所内外のいくつ かの研究室単位で強力な計算環境を持つことも一部では可能になってきている。そのような研究グループがさらに強 力な演算性能を必要とする研究プロジェクトで成果を上げるためには,グループ A と B に一層力点をおいた運営方針 を取ることが望ましい。一方,グループ C と D の研究者にとって,本センターは研究遂行上不可欠なものであること も事実であり,今後とも適切な配慮が必要である。特にここ1∼2年は,グループ D の実験を主体とする研究グルー プの利用が急増しており,このような研究室において高性能のワークステーションを自前で運用管理してゆくための 人的・技術的負担を回避する上でも,本センターの計算機資源は重要である。

(3)世界のスーパーコンピュータの動向とセンターの立場

現在の計算機は様々な観点から分類することができる。たとえば,単体 C PU 性能の観点からは,1 C PU のベクトル 性能が 5 ギガフロップス以上の高価な計算機,4 ギガフロップス以下のもの,そしてワークステーションに代表される ベクトル演算器を持たない安価なものという分け方ができる。また,並列度の観点から見ると,並列度の高い(3桁 以上の)超並列計算機,並列度の少ないもの,並列計算ができないものという分け方ができる。また C PU とメモリの 構成の違いからは,全ての C PU がシステム全体のメモリを共有する「共有メモリ型」と各 C PU がそれぞれ局所メモリ を持つ「分散メモリ型」,そして分散メモリのハードウエア構成を持ちながら基本ソフトウエアにより論理的に共有メ モリ計算機として利用できる「分散共有メモリ型」に分類することができる。さらに,並列計算機では C PU 間を結ぶ 通信経路のトポロジーと通信性能の違いによって幾つかの形態がある。

欧米では,計算機アーキテクチャの研究を専門とする分野はもちろんのこと,科学計算分野においても単体 C PU 性 能の向上に頼る時代は終わり,基本ソフトウエアと高速通信技術における並列計算技術の発展に将来の大規模計算環 境を委ねる機運が高まっている。ここで並列化の基本ソフトウエア技術として分散共有メモリ計算機におけるマルチ スレッドや分散メモリ計算機のメッセージパッシングが挙げられる。たとえば米国では1996年よりA ccelerated Strategic C omputing Initiative(A S C I)を国家プロジェクトとして提案し,コンピュータメーカーと国立研究所が共同で大規模な 超並列計算機の開発を推進している。我が国でも欧米の計算機動向に追従し,かつて単体 C PU 性能で世界1,2位を 争っていたスーパーコンピュータメーカーも,超並列計算機のみの開発に方針転換している。このような状況の中,電 子計算機センターは将来にわたり最先端の大規模計算環境を分子科学者に提供することを最重要と考え,計算機アー キテクチャの動向に注視する努力を怠ってはならない。一方,現状では並列コンパイラや並列プログラム開発のため の支援ツールが未成熟な状況であることもまた事実であり,分子科学計算分野はあくまで高速計算機を研究道具とし て利用し続ける1研究分野であり,安易に並列計算機一辺倒の運営に踏み切ることも慎重にしなければならない。

5-1-3 分子研所内及び岡崎国立共同研究機構におけるセンターの役割

(1)分子研における計算分子科学分野の重要性とセンターの役割

今日,理論化学的手法の発展と計算機の進歩によって,従来では不可能と考えられていたような複雑な系を不必要 なモデル化を行わずそのまま研究対象として扱うことができるようになってきている。分子科学における計算科学は, 単に実験の解析にとどまらず実験の先導的な役割を果たしており,90年代の後半に至り計算的手法の重要性は質的転 換を遂げたと言える。21世紀において計算分子科学は一層の発展が期待されている。特に,分子研の理論部門は平成

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7年度から1部門が増設され,計算機センターのグループを加えると専任の研究グループは7になった。各研究グルー プは独自にワークステーションを持ちプログラム開発や応用計算を進めているが,同時に計算機センターの計算機利 用の中で大口利用者でもある。計算機センターは,研究所内の理論グループに卓越した計算環境を提供していく必要 がある。そのためには、所外には公開しない特別な運用を行う計算機の導入も検討していく必要がある。その一環とし て,理論研究系と計算機センターのスタッフが中心となって,たとえば文部省研究基盤重点設備費に「計算分子科学 の展開」を要求していくなどの努力も必要である。また平成10年度より,学術振興会および科学技術振興事業団の外 部資金によって所内理論グループが導入する計算機の維持管理業務を,電子計算機センターで行うことも試行されて いる。これは,計算機センターの計算機管理技術と電源・冷却設備等の設置環境を考慮した方策の一つであり,今後 このような所内グループ専用計算機の導入がいっそう増えることが予想されることから,業務分担及び維持費等につ いての制度化が必要である。

1986年のベクトル型スーパーコンピュータのセンターへの導入は,分子動力学計算と反応動力学計算分野の研究者 に大きな刺激を与えた。この様に将来の超並列スーパーコンピュータの導入が,新たな分子科学計算分野の進展を促 す可能性も十分にあり,前述のように超並列時代を見据えた方法論の開拓が重要である。計算機のハード・ソフトの 両面の進歩は速く,またその最新の成果を研究に取り入れることによって,質的な変化をもたらす研究を進めること が可能になる。計算機センターの現スタッフはあくまで計算機利用者の一員として,計算機アーキテクチャの動向や 並列ソフトウエアの進展状況を冷静に判断し,プログラム開発やアルゴリズム理論の非専門家である分子科学者に適 切な計算環境をバランスよく提供するための人員構成をとっている。一方,計算機の発展に密着しベクトル並列型,超 並列及び分散共有メモリの並列計算機などの新しいアーキテクチャの計算機の能力をフルに活用するためのスタッフ も重要であり,分子科学計算アルゴリズムの開拓や,計算機アーキテクチャの特徴を生かした分子シミュレーション プログラムの開発研究を行うことのできる研究グループが,計算機センター内に新たに1グループ(助教授1,助手 1,技官1)は必要である。また研究要素として大規模なソフトウエアの構築を含む研究開発テーマなど,多くの若 手研究者を必要とする分野(この分野は欧米に依然立ち後れていると言わざるを得ない)では,研究系教官と共同で プロジェクト研究課題を提案し,大学等では困難な課題にも挑戦してゆく必要がある。

(2)岡崎機構における分子科学境界分野の重要性とセンターの役割

スーパーコンピュータを中心とする本センターの計算機システムは世界的な観点で見ても,分子の電子構造と反応性・機 能,クラスター・液体・固体表面など多くの分子科学分野で多大な研究成果を生み出してきた。計算機の演算速度と記憶容量 の向上は,研究対象となる物質範囲を広げることが出来,さらに新分野の開拓に向かうことが出来る。例えば,分子科学 研究所理論研究系の二つの研究グループと生理学研究所分子生理研究系のグループが中心となり,大規模分子動力学計算 及びモンテカルロ計算によるタンパク質の3次元構造解析が平成10年度学術振興会未来開拓事業の新規テーマとして開始 され,研究業績を上げ始めている。このように分子科学と生理学の境界領域における計算シミュレーション分野では,近 年目覚ましい発展があり,今後,環境ホルモン,生理活性物質の構造・機能の解析などへの応用が切望されており,分子 科学研究所,基礎生物学研究所,生理学研究所の学際研究領域である生命環境科学研究では,分子レベルでの生体物質の シミュレーションはもちろん,神経系,脳研究といった生理科学の領域までをも計算対象とした高性能計算機システムの 共同利用が始まりつつある。この様に計算分野自身が今までの少数多体系としての分子科学から分子科学と生命および環 境科学の境界領域に拡大するなかで,今後,本センターの計算機システムの役割は今まで以上に重要となるため,近い将 来において他2研究所の計算機室と協力し,岡崎機構の計算機センターとしての位置づけを真剣に議論する必要がある。

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5-1-4 国際分子科学計算センターとして

分子研理論部門における外国人長期滞在研究者の割合は高い。インターネットを通じての計算機利用が可能になっ た今日,これら長期滞在者は帰国後も共同研究が継続されるようになっている。このようなインターネットを通じた 国際共同研究も進めていく必要がある。 また,現在分子研が概算要求している「多国間国際協力事業」の一つとして プロジェクト方式の研究課題を新たに設定することが可能であろう。

アジア諸国を中心に,計算環境が十分備わってはいないが潜在的に優秀な分子科学研究者を持つ国々の研究者に対 し,プロジェクト申請の道を開き,国際的な計算機センターへ飛躍させる事は今後の検討課題である。この制度の実 現のためには,計算環境の一層の充実が何より前提であり,さらに課題審査制度の確立,専任の助手(出来る限り外 国人の)の採用など多くの課題を解決しなければならない。

5-1-5 センターライブラリ開発の研究プロジェクト化

センターライブラリ開発制度を見直し,件数を絞って集中的に開発支援できる形にしなければならない。外部研究 者に開発プロジェクトを公募すると同時に,予算的措置を伴ったプロジェクト開発制度を発足させることも検討する 必要がある。

5-1-6 Q C L D B の事業化

センターのスタッフが過去に積極的に参加し,量子化学者のみならず広く化学・物理学研究者から高い評価を受け ている QC L D B(Quantum C hemistry L iterature D ata B ase)の開発に対し今後も予算的にはもちろんのこと,センターの 業務として支援する体制をとり続ける必要がある。現在, 米国のいくつかの国立研究機関では,W W W (W orld W ide W eb)を通じてその機関が作成したデータベースを全世界に公開している。このような形の全世界の学会に対する寄与 は,特に生物学や素粒子・原子核の分野などではその研究機関の一つの「業績」として高く評価されている。

我が国ではデータベース作成による世界の学会への寄与は,QC L D B を除いて皆無であると言われているが,平成9 年夏からは QC L D B も,W W W を通じて登録制の公開を試験的に開始した。この公開に対する世界中の研究者からの 反響は著しく高い。この公開をハード・ソフトの両面で長期的に安定運用をするためには、正式に分子科学研究所の事 業の一つとする必要がある。1)データベース作成・管理・運用のためのハードウエア整備,2)データーベース作成のため の謝金と事務費の確保のために早急に予算的措置をとる必要があり,平成12年度概算要求を行う予定である。もちろ ん QC L D B を開発・作成している QC D B (Quantum C hemistry D ata B ase)研究会と緊密に連携をとってこの事業は進め なければならない。

5-1-7 情報ネットワークと計算機センター

平成7年度末に完成した岡崎国立共同研究機構の超高速 A T M ネットワークシステム(新 OR ION と呼ぶ)によって, 分子研のスタッフ・学生の電子メール・インターネットの利用は著しく向上し,ほとんどの研究者にとって情報収集 と発信のための不可欠な手段になっている。計算機センターは機構情報ネットワークの構築と運用に当初はたずさわ らなかったが,平成7年度に情報ネットワークの担当技官が採用され,センターに配属されたのを契機に,センター は分子研内のネットワーク業務に関与するようになった。計算機センターの主要目的は,分子科学における計算科学 の支援であり,情報ネットワーク,特に電子メールなど情報交換を支援する業務はこれまで軽視されてきた。これか らも,このような業務は主要業務とはならないが,上述のように,研究所内はもとより国内外との高速情報交換網は,

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計算科学を推進する上に非常に重要な基盤設備であり,また,情報ネットワークを企画・管理・維持するのに必要な 知識や技術は計算機センターのスタッフに要求されている知識や技術と多くの共通部分があるので,センターは,分 子研内はもとより,岡崎国立共同研究機構内のネットワークの企画・運用に関与する必要がある。

センターの計算機を国内外の研究機関から高速かつ安定に利用するために,情報交換速度を主要大学間と同じ速度 に常に維持していく必要がある。そのための一つの手段として計算機センターの予算の中で学術情報センターへの専 用回線を契約する可能性も追求する必要がある。

参照

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